La Boulangerie Kaseru 　カセルのパン便り

先週の土曜日、スタッフミーティングを行いました。
今回行ったミーティングのテーマは、『変化に気が付けるようになろう』です。

スタッフが、それぞれのポジションについてから約半年が過ぎました。
自分の決められた仕事はきっちりこなすことが出来るようになり、成長がうかがえます。

ただ、いつもこれぐらいになると、あるミスが出始めます。
それは、“ミスに気が付かないミス”です。

どこのパン屋さんもそうだと思いますが、カセルでは日々同じ作業の繰り返しです。
日々同じ作業をしていると、スタッフに二つの特徴が出てきます。

一つは、感覚が研ぎ澄まされて、ちょっとした変化にも気が付けるようになるということです。
もう一つは、いつもの作業手順で作業を“こなす”やり方になってしまい、変化に気が付かないということです。
この二つは相反するものですが、同じスタッフの中にも両方の面が出てきます。

先週、こんなことがありました。
オーブンの温度設定を間違ってしまい、パンがまだしっかり焼けていないにも関わらず、パンをオーブンから出してしまいました。
また、はかりの設定を間違ってしまい、いつもより小さい生地に分割してしまいました。

間違いが起きているにもかかわらず、意識が作業に集中していないためにそれに気が付かず、いつもの“ながれ”で作業を進めてしまったのが原因です。
一日中神経を集中させることはなかなか難しいので、『焼き色は大丈夫か』、『重さはあっているか』など、それぞれの重要なポイントだけはきっちり抑えることを徹底しました。

これらのミスは、１００回やって１回起こるかどうか程度のミスですが、１００分の１以下のミスに気が付き対応できるようになる、このことがとても大事です。
作業をこなしているだけのうちはまだまだ“作業者”です。
パンの小さな変化に気が付き対処できる、こうなって初めて“職人”と言えるのではないでしょうか。
カセルのスタッフも“職人”となれるよう、これからも指導していきたいと思います。

（指導者としてのスキルも問われ、身が引き締まる思いのシェフです。）