カセルの接客について

カセルの接客について
『カセルがやるべきたった二つのこと』のうちの、『満足して買っていただくこと』について掘り下げたいと思います。






お客様に満足して買っていただくためには、接客はとても重要です。
では、カセルではどんな接客ルールがあるのでしょうか?

結論から言いますと、カセルにはいわゆる接客ルールというものは存在しません。
接客とはルールに従って行うものなのでしょうか?
カセルにあるのは、『おもてなし、思いやりの気持ちでお客様のことを考えて行動する。』という信念のみです。

新人教育のなかで、私は必ずこの話をします。
「電車やバスのシルバーシートはいらない。」と。

シルバーシートのルールとは何でしょうか?
シルバーシートに座っている人は、お年寄りや妊婦さんなど体をいたわってあげる必要がある方に席を譲りましょうということですね。

では、このルールに従って行動した場合の心理とはどんなものでしょうか?
「あ、俺シルバーシートに座ってるから席を譲らなきゃいけないじゃん。」、「私はシルバーシートじゃないから、譲らなくてもいいわ。あなたが譲りなさいよ。」といった感じではないでしょうか。

これで席を譲られたとしても、『思いやり』は感じられません。
やはり、シルバーシートなどなくともお年寄りや妊婦さんなどには席を譲るのが、人としてあるべき姿だと思うのです。

私は電車やバスに乗る機会があまりないのですが、こういう場面になったときは間違いなく席を譲っています。
人として、男として恥ずかしくない行動を取りたいのです。

こういう話をしたうえで、スタッフに問いかけます。
「いらっしゃいませ!」という時の表情はどうしたらいい?声の大きさは?トーンは?と。

もちろん答えは言いません。
それは自分で考えるべきであり、考えたうえでとった行動に意味があるのです。
その行動の中にはきっと『思いやりとおもてなし』の心が含まれているはずです。
「笑顔で大きく明るい声で言いましょう」と決めてしまったら、そうしなきゃいけないというルールに従っているにすぎません。

あるスタッフはフレンドリーな接客、別のスタッフはかしこまった接客など、接客のスタイルは異なってくるかもしれません。
ですが、それはスタッフが考えてとる行動であり『個性』として認めています。
お客様を思いやった行動であるかどうかが大事であり、あくまでも形より中身です。

と言いながら、私自身まだまだ接客が十分にできているわけではありません。
接客には答えなどなく、むしろパン作りよりも難しいのではとさえも思います。

スタッフの中には将来独立するものもいます。
独立したらすべてが自分の考えで行動しなければなりません。
今から自分で考えて行動するくせを付けて、カセルを卒業するころには人としても成長出来ていたらいいなと思います。

まだまだ未熟ですが、お客様にご満足いただけるようスタッフともども頑張っていきたいと思います。

(最高気温31度予想にびびるシェフです。)




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