クロワッサンの層の数って数えたことがありますか?
あまり気にしない方がほとんどではないでしょうか。
でも、実はかなり重要なんです。
一般的に、層が多くなるほどサクサクハラハラとした食感に、層が少なくなるほどザクザクした食感になります。
また、層が少なくなるほど、バターの風味が濃くなります。
そして、層が多いほどパンのボリュームが出ます。
どんな特徴のクロワッサンにするかで層の数を決めるのですが、カセルではサクサクした食感で、バターの風味もしっかりと味わえるクロワッサンにしたいので、層が多めでバターも多めにしています。
具体的には、三つ折りを3回の27層です。
バターの量は企業秘密ですが、結構多めです。
最近、クロワッサンやデニッシュの層が少ないパン屋さんが増えてきたような気がします。
層が少ないクロワッサンってどうなの?ということで比較をしてみました。
いつもの27層のクロワッサンと18層(三つ折り2回と二つ折り1回)のクロワッサンを作って比較してみました。
その写真がこちら。(左27層、右18層)

18層のほうがボリュームが小さく、見た目に層が少なくなっているのが分かるでしょうか。
で、食べてみた結果ですが、結論から言いますといつもの27層のほうがおいしかったです。
18層のほうは、バターの風味が濃いのは間違いないのですが、(おじさん的には)ちょっとくどい感じです。
食感は、思ったほどザクザクしていません。
むしろ、中のくちどけの悪さのほうが気になります。
27層でちょうどよくなる配合のまま18層にしたので、当然と言えば当然の結果かもしれません。
バターの量を減らす、しっかりと焼きこんでみるなどの調整を行えば、もっといい結果になると思います。
さて、18層のクロワッサンを極めてみるかどうかの選択に迫られます。
結論、見送ります。(早っ)
あくまでも自分の勘と経験からですが、「なんかいけそう!」っていうのがないときは大抵うまくいきません。
うまくいくときは、最初からいける気がするものだったりします。
(いける気がするのにダメなことももちろんありますが...。)
今回は、見送りという結果になりましたが、今回比較テストをしたおかげで、今までやってきたことに自信を持って進めそうです。
あらゆる可能性を試してみることは、チャレンジであり、自分の経験値を上げてくれます。
一歩一歩成長出来たらいいなと思います。
(試作の試食にダイエットを阻まれているシェフです。)