カセルの取り組みについて

kaseru

2019年04月06日 16:16


先日、パン屋さんの離職率が高いのでパン屋の未来を明るいものにしたい、
その仕組みがカセルにはありますよとの記事を書かせていただきました。
今回は、その仕組みについて書いていきたいと思います。

2019/04/04





今回書く記事は、カセルのような個人店の場合であり、
デパートにあるような大手のパン屋さん、
スーパーやコンビニなどに卸すパンメーカーさん、
ホテル内ににあるパン屋さんなどは、また違ってくると思います。

まず、パン屋さんに就職する人の気持ちを考えてみます。
(相手の気持ちをおもんばかる、これ大事)

①パン屋さんに就職して定年もしくは結婚まで働きたい。
②パン屋さんで修行してゆくゆくは自分の店を出したい。
③あまり深くは考えてないけどパン屋さんで働いてみたい。

ざっくりですが、こんな感じに分類できると思います。
就職する人の気持ちは人それぞれなので、
これはいろいろな方向性があっていいと思います。

③についても、自分のしっかりしたビジョンがあるに越したことはありませんが、
みんながみんなテニスの錦織さんやサッカーの本田さんのように、
小学生からの夢を持ち続けているわけではないので、これはありでしょう。

では、なぜこのような気持ちで就職しても途中でやめてしまうのでしょうか。

簡潔に言いますと、自分の気持ちと現実に
解決できないギャップがあるということです。
自分の気持ち通りに事が進んでいれば、
アクシデント的なことでもない限りやめることはないはずです。

では、そのギャップ(問題点)とは何なのでしょうか?
まず一番に言えることは、長時間労働、低賃金です。

ネットでパン屋さんの実情を調べると、月給約18万~20万円ですが、
労働時間は10時間から17時間ぐらいです。
月給は固定で、残業代はつかないケースがほとんどです。

この記事をパン屋さんが見れば「うんうん」となりますが、
そうでない人は「なにそれ???」となるでしょう。
この時点で③の人は辞めていきます。

仮に賃金の問題は我慢できたとしても、
長時間労働で体を壊して辞めてしまうケースもあります。
辞めるほどではないとしても、体に不調を抱える人は多いと思います。

次の問題点は、終身雇用ができないということです。
終身雇用とは、定年退職するまで雇うということです。
もちろん、定年まで飼い殺しにすることではなく、
従業員やその家族に豊かな生活を送らせてあげる雇い方です。
一生面倒をみることといってもいいかもしれません。

この時点で①の人は辞めてしまいます。
終身雇用できるパン屋(大手、メーカー、ホテルなど)に転職するか、
いっそほかの業種へと転職してしまいます。

残念ながら、カセルも終身雇用することはできません。
なので採用の面接のときにその旨を伝えています。

次の問題点は、いつまでたっても技術を習得させてもらえないということです。

何年たっても同じポジションのままだったり、
逆にじっくり技術を身につけないうちに
いつの間にか店長にさせられたりといったケースです。
実は、カセルで働きたいといってくる経験者のほとんどがこのケースです。

②に当たる人は自分の夢をしっかりと持っていますので、
技術が習得できるまでパン屋を転々とすることになります。

問題点をまとめますと、
・長時間労働、低賃金
・終身雇用ができない
・技術を習得させてもらえない

の三点です。

他にも人間関係の問題等もあるとは思いますが、
パン屋さん固有の問題点として挙げてみました。

終身雇用ができないという問題については、
前にも述べたようにカセルではしっかりとその旨を伝えるほかありません。

そうすると、長時間労働、低賃金の問題と、技術を習得させてもらえない問題を解決すれば、
少なくとも②に当てはまる人は辞めないで済むはずです。

③に当たる人も、最初は明確な意思がなかったとしても、
だんだんパン屋の仕事が楽しくなってきたりします。
実際に③の人が長く続くケースがカセルにはありました。

すみません、かなり長文になってしまい、
カセルの取り組みについてまで書くことができませんでした。
今回は問題提起というところまでにして、また後日続きを書きたいと思います。

(暖かくなってもやっぱり布団から出るのがつらいシェフです。(笑))







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